禁煙

こんなにあるたばこの害

1.本人への影響

日本人が命を落とす最大の原因がたばこです。
たばこは、脳卒中や心臓病をはじめ、多くの病気と関係しており、年間約13万人がたばこが原因で亡くなっていると報告されています。

【参考】喫煙との関連が「可能性あり」と判定された病気

■がん
大腸がん、乳がん、急性骨髄性白血病、腎盂尿管・腎細胞がん
■がん以外の病気
認知症、気管支喘息、 関節リウマチ、閉経後の骨密度低下、大腿骨近位部骨折、日常生活動作の低下、胸部大動脈瘤、結核、特発性肺線維症
妊娠・出産:生殖能力低下、子宮外妊娠・常位胎盤早期剥離・前置胎盤
■歯
う蝕、口腔インプラント失敗、歯の喪失

(厚生労働省検討会報告書 喫煙の健康影響に関する検討会編: 喫煙と健康、2016)

2.周囲への影響

たばこの煙には5000種類以上の化学物質、70種類の発がん物質が含まれています。 わが国では、受動喫煙が原因で、脳卒中、虚血性心疾患、肺がん、乳幼児突然死症候群(SIDS)の病気で年間1万5千人が死亡していると推計されています。

受動喫煙による他人に対する危害を防止するためには、マナーにゆだねるだけでなく、社会としてたばこが吸える場所を規制することが必要です。

上手に禁煙するために

1.禁煙に成功しやすい方法とは?

禁煙は自力でも可能ですが、医療機関での禁煙治療や禁煙補助薬を利用すると、ニコチン切れの症状を抑えることができるので比較的楽に、しかも自力に比べて3~4倍禁煙に成功しやすくなることがわかっています。

2.自分にあった禁煙方法を選ぼう

タイプ別にお勧めの禁煙方法の目安を示しました。自分に合った禁煙方法を選びましょう。

禁煙方法 お勧めのタイプ
医療機関で禁煙治療を受ける
  • ニコチン依存度が中程度~高い人
  • 禁煙する自信がない人
  • 過去に禁煙して禁断症状が強かった人
  • 精神疾患など、禁煙が難しい特性がある人
  • 薬剤の選択など、禁煙にあたって医師の判断を必要とする人
薬局・薬店でニコチンパッチやニコチンガムを使ってやめる
  • ニコチン依存度が低い~中程度の人
  • 禁煙する自信が比較的ある人
  • 忙しくて医療機関を受診できない人
  • 健康保険適用の条件を満たさない人

健康保険で禁煙治療が受けられます!

2006年4月から、健康保険で禁煙治療が受けられるようになりました。
「楽に」「確実に」「あまりお金をかけずに」 禁煙するためにも医療機関を受診して禁煙治療を受けることをおすすめします。

禁煙治療の流れ

準備:健康保険で禁煙治療が受けられる医療機関を調べる

受診する医療機関が決まったら、予約が必要な場合があるので、予め電話で確認しておきましょう。

医療機関の検索サイト(日本禁煙学会ホームページ)
http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html
検索キーワード「日本禁煙学会禁煙外来」

スタート:禁煙治療を受診する(受診回数は5回)

  • 健康保険を使った禁煙治療は、12週間で5回の診察を受けます。
  • スケジュールを下記に示します。

禁煙治療では、チャンピックスという飲み薬やニコチンパッチという貼り薬を使うことができます。
治療は5回全て受診したほうが、禁煙成功率が高いことがわかっています。
禁煙できなくても治療は最後まで継続しましょう。

受診条件の確認

健康保険で禁煙治療を受けるためには、4つの条件を満たしている必要があります。自己チェックしてみましょう!!

□条件① 現在たばこを吸っていて、ただちに禁煙しようと考えている
□条件② ニコチン依存症の診断テスト(下表)の結果が5点以上である
□条件③ 医療機関で禁煙治療の同意書に署名を求められることに同意する
□条件④ 35歳以上の者ついては、1日平均喫煙本数×喫煙年数が200以上である

例)1日平均喫煙本数20本で30年間吸っている場合、20本×30年間=600と計算

ニコチン依存症の診断テスト

項目 はい
1点
いいえ
0点
1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまうことがありましたか。    
2.禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。    
3.禁煙したり本数を減らそうとしたときに、たばこがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。    
4.禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)    
5.4でうかがった症状を消すために、またたばこを吸い始めることがありましたか。    
6.重い病気にかかったときに、たばこはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。    
7.たばこのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。    
8.たばこのために自分に精神的問題注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。    
9.自分はたばこに依存していると感じることがありましたか。    
10.たばこが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。    
注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
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